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ヘアケア

シャンプーの成分表示の見方:アミノ酸系・ノンシリコン・ラウレス硫酸Naをどう見分けるか

成分表をスキャンして『なんとなく選んでいた』状態から卒業したい人へ。ラウリル/ラウレス硫酸Na系・アミノ酸系・ベタイン系の洗浄成分の違いと、ジメチコンなどシリコーン成分の名前のパターンを把握すれば、棚の前でシャンプーを自分の髪質に合わせて選べるようになります。

ドラッグストアでシャンプーを手に取ったとき、裏の成分表を読もうとして「文字が多すぎて何を見ればいいかわからない」と棚に戻した経験はありませんか。

「ラウレス硫酸Na入りは刺激が強い」「アミノ酸系が優しい」——こういう話を聞いたことがあっても、実際に成分表のどこを見ればいいか、具体的なルールを知らない人は多いです。

成分表には読み方のルールがあります。記載順の意味、洗浄成分のカテゴリ、シリコーン系の名前のパターン——この3点を押さえるだけで、自分の頭皮と髪に合うシャンプーを選ぶ精度がぐっと上がります。


成分表の基本ルール:記載順は配合量の多い順

まず最初に押さえるべきことが一つあります。日本の化粧品は薬機法の規定に基づき、配合量が多い順に成分を記載する義務があります(1%以下の成分は任意の順序で記載可)。

つまり成分表の一番上に書いてある成分が、そのシャンプーで最も多く使われている成分です。

「水」が1番目にくることが多い理由

多くのシャンプーで成分表の最初は「水」です。シャンプーは水に洗浄成分・保湿成分・香料などを溶かした製剤なので、水が主成分になるのは自然なことです。

注目すべきは 2〜5番目あたり。ここに来る成分が、そのシャンプーの特性を決める主要な洗浄成分です。

1%以下の成分は読み方が変わる

配合量が1%以下の成分は、メーカーが任意の順序で記載できます。植物エキスや美容成分は少量でも配合されることが多く、成分表の後半に並びます。「コメセラミド配合」などと謳っていても、成分表の末尾近くにある場合は含有量がごく少量であることが多いです。


洗浄成分の種類:3つのカテゴリを理解する

シャンプーの性格を最も左右するのが洗浄成分です。大きく3つのカテゴリに分かれています。

カテゴリ1:硫酸塩系(ラウリル/ラウレス硫酸Na系)

最も洗浄力が高いグループです。市販の多くのシャンプーに使われてきた定番成分ですが、皮脂を取りすぎてしまう場合があり、乾燥肌・敏感肌・細毛の人には合わないことがあります。

成分表での見分け方:

  • ラウリル硫酸Na(Sodium Lauryl Sulfate / SLS)
  • ラウレス硫酸Na(Sodium Laureth Sulfate / SLES)
  • ラウレス硫酸アンモニウム
  • ラウリル硫酸アンモニウム

「ラウリル」「ラウレス」「硫酸」というキーワードが入っている成分がこのグループです。成分表の上位(2〜4番目)に位置していれば、このシャンプーの主洗浄成分が硫酸塩系だということになります。

カテゴリ2:アミノ酸系

アミノ酸から誘導された洗浄成分のグループです。硫酸塩系より洗浄力がマイルドで、肌・頭皮への刺激が比較的低いとされています。乾燥肌・敏感肌・ダメージヘアに選ばれることが多いです。

成分表での見分け方:

  • ラウロイルメチルアラニンNa
  • ラウロイルグルタミン酸Na
  • ラウロイルサルコシンNa
  • コカミドプロピルベタイン(両性界面活性剤で、アミノ酸系と組み合わせて使われることが多い)
  • ラウロイルアスパラギン酸Na
  • ミリストイルグルタミン酸Na

「ラウロイル〜」「〜グルタミン酸」「〜アラニン」「〜サルコシン」というパターンが多いです。これらが成分表の2〜5番目に複数並んでいれば、アミノ酸系シャンプーと判断できます。

カテゴリ3:ベタイン系・その他のマイルド系

アミノ酸系に似たマイルドな洗浄力を持つグループです。アミノ酸系と組み合わせて使われることが多いです。

成分表での見分け方:

  • コカミドプロピルベタイン(代表的な両性界面活性剤)
  • ラウラミドプロピルベタイン
  • コカミドメチルMEA
  • デシルグルコシド(グルコシド系、植物由来)
  • ラウリルグルコシド(グルコシド系)

「ベタイン」「グルコシド」が入っている成分はおおむねマイルドなカテゴリです。


洗浄成分の比較表

種類 代表成分名 洗浄力 頭皮への刺激感 向いている髪質
硫酸塩系 ラウレス硫酸Na・ラウリル硫酸Na 高め 脂性頭皮、短時間でしっかり洗いたい
アミノ酸系 ラウロイルメチルアラニンNa・ラウロイルグルタミン酸Na マイルド 低め 乾燥肌・敏感肌・ダメージヘア
ベタイン系 コカミドプロピルベタイン・デシルグルコシド マイルド〜中程度 低め アミノ酸系の補助、敏感頭皮
石鹸系 カリ石鹸素地・脂肪酸ナトリウム 強〜中 中程度 頭皮のべたつきが強い人

「アミノ酸系シャンプー」と表記されていても、成分表の中にラウレス硫酸Naが入っている製品もあります。表示と成分表の両方を確認するのが重要です。


洗浄成分の選び方:髪と頭皮の状態で絞る

比較表を見てもどれを選べばよいか迷う場合は、「今の自分の頭皮と髪の状態」を軸に絞るのが近道です。

ラウレス硫酸Na系を選んでよい場面

硫酸塩系は「洗浄力が強すぎる」と敬遠されがちですが、次のような状況では合理的な選択肢です。

  • 頭皮が脂性で、夕方にはべたつきを感じる: 皮脂の分泌が多い人は、アミノ酸系では物足りなく感じることがあります。特に夏場・運動後・スタイリング剤を多用する場合は洗浄力のあるシャンプーが向いています
  • 短時間でしっかり汚れを落としたい: 一人暮らし・忙しい朝シャン派にとっては、すすぎが素早く済む硫酸塩系の使い勝手がよいケースもあります
  • 頭皮トラブルがなく、ゴシゴシ洗いたい派: 現状なんの問題もなく使えているなら、無理に変える必要はありません

ただし、ヘアカラー・パーマを繰り返している場合や、頭皮に乾燥・かゆみの症状が出ている場合は、洗浄力の強さが問題を悪化させることがあります。

ラウレス硫酸Na系を避けたほうがよい場面

  • 乾燥しやすい頭皮で、洗うたびにかゆみや突っ張り感が出る
  • 細い・軟らかい猫っ毛で、洗うたびにパサつきやまとまりのなさを感じる
  • ヘアカラーの色落ちが早いと感じている(硫酸塩系はカラーの色素を流しやすい)
  • アトピー・接触性皮膚炎などの皮膚疾患がある

私自身は乾燥しやすい頭皮なので、硫酸塩系が上位にくる製品を選ぶと2〜3日で頭皮のかゆみが出てきます。成分表を読み始めてから「なんとなく合わないな」の理由がわかった感覚がありました。

アミノ酸系を選ぶべき人の目安

  • 頭皮が乾燥しやすく、ターンオーバーの乱れが気になる
  • カラーやパーマのダメージヘアで、洗うたびに毛先がきしむ
  • 敏感肌で市販シャンプーを変えるたびに頭皮に反応が出る
  • 洗い上がりの軽さよりしっとり感を重視する

注意点として、アミノ酸系は洗浄力がマイルドなため、皮脂が多い頭皮タイプや夏場には「洗い足りない」と感じることがあります。その場合は2度洗い(1回目は短め、2回目はしっかり泡立てる)を試すか、ベタイン系との組み合わせ処方のシャンプーを選ぶとバランスが取れます。

ベタイン系・石鹸系の使い所

ベタイン系(コカミドプロピルベタイン等)は単独で主洗浄成分として使われることは少なく、アミノ酸系の補助的な役割で配合されているケースが多いです。「成分表の3〜5番目にベタイン系が来ている」製品は、アミノ酸系とのブレンドでマイルドな処方を実現していることが多く、敏感な頭皮にも試しやすい傾向があります。

石鹸系(カリ石鹸素地・脂肪酸ナトリウム)は洗浄力が強めながらも、天然由来という特性から選ばれることがあります。ただし、アルカリ性のため髪が絡まりやすい・軋みやすいという特徴があり、必ずコンディショナーとセットで使う必要があります。縮毛矯正やデジタルパーマ後のダメージヘアには不向きです。


シリコーン系成分の見分け方

「ノンシリコン」を謳うシャンプーが増えていますが、シリコーンとは何か、成分表でどう識別するかを知っておくと判断しやすくなります。

シリコーン成分の特徴

シリコーンはシャンプーやコンディショナーに使われる合成ポリマーで、毛髪表面をコーティングして指通りをよくし、ツヤを出す効果があります。シリコーン系成分は一般的に「無毒」と評価されていますが、繰り返し蓄積されることで髪が重くなる、ふんわり感が出にくくなる、トリートメントの浸透を妨げるといった問題を感じる人もいます。

成分表での見分けパターン

シリコーン系成分は成分名の末尾や語中に特定のパターンがあります。

「〜コン」系:

  • ジメチコン(最も一般的)
  • シクロメチコン
  • ジメチコノール
  • アモジメチコン(ダメージ補修向け)
  • フェニルトリメチコン
  • セテアリルメチコン

「シロキサン」系:

  • シクロペンタシロキサン
  • シクロテトラシロキサン

その他:

  • PEG-○ジメチコン
  • ポリシリコーン-○

おおまかに「コン」「シロキサン」「シリコン」「シリカ」(シリカは少し異なりますが)が含まれていれば注意して確認するといいでしょう。ただし「シリカ」は酸化ケイ素でシリコーンとは別物です。

成分表にこれらの成分が含まれていなければ「ノンシリコン」と判断できます。市販品では見出しに「ノンシリコン」と記載している場合も多いですが、自分で成分表を確認できるようになると安心です。


シリコーンあり vs ノンシリコン:どちらを選ぶか

「ノンシリコン=頭皮に優しい・髪によい」というイメージが広まっていますが、これは必ずしも正確ではありません。シリコーン配合かどうかより、「今の自分の髪と頭皮に何が必要か」で判断するほうが現実的です。

シリコーン配合を選んでよい場面

  • ダメージが大きい髪(ブリーチ・カラー・パーマの重ね使いによるキューティクルの損傷が激しい場合): アモジメチコン等のダメージ補修特化型シリコーンは、傷んだ毛髪表面を一時的にコーティングして、摩擦や枝毛を防ぐ働きをします。ダメージが大きい時期のシリコーン配合シャンプーは「補修材」として合理的な選択です
  • 縮毛矯正・デジタルパーマ後: 施術直後はキューティクルが不安定な状態です。コーティング効果のあるシリコーン配合シャンプーで摩擦から守ることが、形状の持ちに影響することがあります
  • 乾燥しやすい環境での静電気ケア: 乾燥した季節に髪の広がりや静電気が気になる場合、ジメチコンのコーティングがまとまりを出してくれます
  • スタイリング後のツヤ感重視: ストレートの艶髪スタイルを維持したい場合、シリコーン配合のほうが仕上がりのツヤが出やすいです

ノンシリコンを選ぶべき場面

  • 頭皮トラブルが気になる場合: シリコーンは毛髪には問題なくても、頭皮の毛穴周辺に積み重なることで毛根を塞ぐ可能性を懸念する声があります。フケ・かゆみが続く場合にノンシリコンに変えて様子を見るのは合理的な試みです
  • トリートメントの浸透を重視したい場合: シリコーンのコーティング膜があると、その上からトリートメントを使っても内部成分が浸透しにくくなることがあります。サロントリートメントや集中補修トリートメントを定期的に使う人は、シャンプーをノンシリコンにするとトリートメントの効果を感じやすくなることがあります
  • 細い・ペタンコになりやすい猫っ毛: シリコーンのコーティングで毛髪が重くなり、ボリュームが出にくくなることがあります。ふんわり感を重視するならノンシリコンのほうが軽い仕上がりになります
  • 成分を極力シンプルにしたい場合: 敏感頭皮の人がシリコーンを避けたいと思うこと自体は、特に問題はありません

「ノンシリコン = 頭皮に優しい」が誤解な理由

ノンシリコンシャンプーでもラウレス硫酸Naが主洗浄成分として入っていることはよくあります。「ノンシリコン」の表示はシリコーン不使用を示しているだけで、洗浄成分の優しさとは別の話です。

成分表を確認せずにラベルの「ノンシリコン」「サルフェートフリー」「オーガニック」だけを見て選ぶと、実際の成分と期待がずれることがあります。ノンシリコンと謳っていても洗浄成分が硫酸塩系であれば、乾燥・敏感頭皮の人にとっては刺激を感じる可能性があります。

「ノンシリコンかどうか」と「洗浄成分が何系か」は別軸です。この2軸を独立してチェックする習慣をつけると、シャンプー選びの精度が上がります。


保湿成分・コンディショニング成分の見方

シャンプーには洗浄成分のほかに、保湿やダメージ補修を目的とした成分も配合されています。成分表の中盤〜後半に現れることが多いです。

保湿系成分

グリセリン 成分表でかなり上位に現れることもある保湿成分。水を引きつけて頭皮・髪の乾燥を防ぐ基本的な成分です。

ヒアルロン酸Na(高分子/低分子) 水分を保持する保湿成分。シャンプーでは洗い流す過程で成分の多くが落ちるため、コンディショナーやトリートメントで補うほうが実感を得やすいです。

加水分解ケラチン・加水分解コラーゲン 髪の主成分であるケラチンを低分子化したもの。毛髪への吸着によるダメージ補修効果が期待されます。

コメセラミド・植物由来セラミド 頭皮・肌の保湿成分として配合されることがあります。セラミドは本来肌のバリア機能に重要な成分で、頭皮ケアとしても注目されています。

コンディショニング成分(シリコーン代替)

ノンシリコンシャンプーでは、シリコーンの代わりに次のような成分でコーティング・滑り感を補っています。

  • ジステアリルジモニウムクロリド:帯電防止・柔軟効果
  • セテアリルアルコール:乳化補助と髪への滑り感付与
  • 植物油(マカダミアナッツ油・アルガニアスピノサ核油など):毛髪へのなじみと保湿
  • ポリクオタニウム-○:帯電防止と柔軟性付与(ノンシリコン製品で多用)

保湿成分を深掘りする:ヒアルロン酸・グリセリン・ケラチンの違い

保湿・補修を謳うシャンプーにはさまざまな成分が使われていますが、成分ごとに働き方が違います。成分名を見たときに「これは何をする成分か」がわかると、どのシャンプーを選ぶかの判断に使えます。

ヒアルロン酸 Na:水分を保持する「タンク」役

ヒアルロン酸は自重の数百〜数千倍の水を保持できる高分子成分です。成分表では「ヒアルロン酸Na」と記載されています。高分子ヒアルロン酸は毛髪・頭皮表面で保湿膜を作り、低分子ヒアルロン酸は頭皮に浸透しやすいとされています。

ただし、シャンプーは洗い流すものなので、ヒアルロン酸がどれだけ配合されていても、すすぎと同時に大部分が流れます。「ヒアルロン酸配合」の表示に大きな期待をかけるより、洗浄後のコンディショナーやトリートメントでヒアルロン酸を補完するほうが実感につながりやすいです。

とはいえ、ヒアルロン酸が成分表の比較的上位にある製品は、洗浄中の頭皮の乾燥を抑える効果は期待できます。乾燥しやすい頭皮の人がシャンプーを選ぶときの追加チェック項目として見るのは有効です。

グリセリン:頭皮・毛髪両方に働くベーシックな保湿成分

グリセリンはシャンプーの中でも配合量が多く、成分表の上位(3〜6番目)に来ることも多い保湿成分です。空気中の水分や肌の水分を引き寄せる「吸湿性」があり、洗髪中・洗髪後の頭皮の乾燥を防ぐ働きをします。

シンプルで安定した成分なので、敏感肌・敏感頭皮の人にも比較的合いやすいとされています。アミノ酸系シャンプーでグリセリンが上位に来ている製品は、マイルドな洗浄と基本的な保湿の両方を意識した処方と考えて差し支えありません。

グリセリンが非常に多量に配合されると、べたつきを感じる人もいます。脂性頭皮の人には、グリセリンが過剰な製品はかえって合わないことがあります。

加水分解ケラチン:傷んだ髪の表面を補修する「ケア素材」

加水分解ケラチンは、人の髪の主成分であるケラチンタンパクを低分子化して吸収しやすくしたものです。カラーやパーマでキューティクルが損傷した毛髪に対して、表面の穴や隙間を一時的に埋める補修効果が期待されます。

「加水分解ケラチン」という名称で成分表に現れます。コカミドプロピルベタインよりも後ろ(成分表の中〜後半)に来ることが多く、補助的な補修成分として位置づけられています。

ケラチンは「髪内部の根本補修」ではなく「表面コーティング補修」です。傷みが深い場合は、シャンプーのケラチン成分だけでなく、洗い流さないトリートメントやヘアマスクを併用する方がダメージへのアプローチが広がります。

加水分解シルク:なめらかさとツヤをプラスする成分

加水分解シルクはシルク(絹)タンパクを低分子化した成分で、毛髪表面に吸着してなめらかさとツヤを与えます。吸着力はケラチンほど強くないですが、指通りのなめらかさに貢献します。成分表では「加水分解シルク」「シルクアミノ酸」などと記載されます。

髪のツヤ感や手触りを重視する人には、加水分解シルクが含まれている製品を意識してみると、仕上がりの違いを感じやすいです。

セラミド系成分:頭皮のバリア機能を支える成分

セラミドは元来、皮膚の角質層に含まれる脂質成分で、肌のバリア機能を維持するために重要な役割を果たします。頭皮も皮膚ですので、頭皮のバリア機能維持にセラミド系成分が寄与する可能性があります。

シャンプーに配合される代表的なセラミド系成分:

  • コメセラミド(グルコシルセラミド): 米ぬかや米胚芽から得られる植物由来セラミド
  • セラミドNP / セラミドAP / セラミドEOP: ヒト型セラミドと同じ構造を持つ成分
  • フィトスフィンゴシン: 酵母由来のセラミド前駆体成分

注意点として、シャンプーは洗い流すため、セラミドが頭皮に残留する量は限られます。頭皮の乾燥・ゆらぎが気になる場合は、シャンプーでのセラミド成分に加えて、頭皮用美容液や保湿ローションで補うアプローチが現実的です。

「コメセラミド配合」と大きく謳っている製品でも、成分表の末尾近くにある場合は含有量がごく少量です。先述した「1%以下成分は順番自由」のルールを踏まえて確認してください。


成分別の頭皮・髪への影響

ラウレス硫酸Naを避けるべき人

  • 頭皮が乾燥しやすい
  • ヘアカラーを繰り返しており、ダメージが蓄積している
  • 細い・軟らかい髪で、洗うたびにパサつきを感じる
  • 頭皮にかゆみや赤みが出やすい

洗浄力が高いため、皮脂の分泌が多い脂性頭皮の人には合う場合もあります。髪質と頭皮の状態によります。

アミノ酸系を選びたい人

  • 乾燥・ダメージが気になる
  • 頭皮が敏感で市販シャンプーで合うものが少ない
  • ヘアカラー・パーマ・縮毛矯正などを繰り返している
  • 洗い上がりのきしみが気になる

アミノ酸系は洗浄力がマイルドなぶん、皮脂が多い季節や環境では洗い足りないと感じることもあります。夏場は1〜2度洗いを試してみるのも一つの選択肢です。

頭皮トラブルが気になる場合

フケ・かゆみが続く場合は、シャンプー成分の問題だけでなく、脂漏性皮膚炎や乾癬などの皮膚科的な要因が絡んでいることがあります。シャンプーを変えても2〜3週間で改善しない場合は皮膚科での確認をおすすめします。


アミノ酸系シャンプーの実例:BOTANISTボタニカルシャンプー モイスト

アミノ酸系洗浄成分を主体とした製品の実例として、私が実際に使っているのが BOTANISTのボタニカルシャンプー モイストです。成分表を確認すると、ラウロイルメチルアラニンNa・コカミドプロピルベタインなどアミノ酸系・ベタイン系の洗浄成分が上位に来ており、シリコン・パラベン・サルフェートフリーの処方です。

シラカバウォーター・コメセラミド配合で乾燥・パサつきが気になる髪向けに作られていて、マカダミアナッツオイルやボタニカルマイクロプロテインで補修もします。乾燥しやすい冬場や、カラー後のダメージが気になるときに私が実際に使っているシャンプーのひとつです。


髪質別の成分選び

細い・ペタンコになりやすい髪(猫っ毛・軟毛)

コーティングが強すぎると毛が重くなります。シリコーンが多い製品や、油分系コンディショニング成分が上位にくる製品は合わないことがあります。

向いている成分傾向:

  • 洗浄成分:アミノ酸系〜ベタイン系のマイルド処方
  • シリコーン:なし〜少量
  • 保湿成分:グリセリン・ヒアルロン酸など水溶性の保湿成分中心

太い・ごわつきやすい髪

コーティング成分でまとまりを出す効果が助けになります。

向いている成分傾向:

  • 洗浄成分:アミノ酸系〜ベタイン系
  • コンディショニング成分:アモジメチコン・ジメチコン等のシリコーン系が合うことも多い
  • 補修成分:加水分解ケラチン・加水分解コラーゲン

カラー・パーマ・縮毛矯正でダメージが出ている髪

過酸化水素やパーマ液でキューティクルが損傷しています。洗浄力が強いと乾燥が悪化します。

向いている成分傾向:

  • 洗浄成分:アミノ酸系(ラウロイルメチルアラニンNa・ラウロイルグルタミン酸Naなど)
  • 補修成分:加水分解ケラチン・加水分解コラーゲン・ヘマチン
  • シリコーン:ダメージが大きい場合はアモジメチコン配合のトリートメント補助も有効

脂性頭皮・べたつきが気になる

皮脂の分泌が多い場合は洗浄力がある程度必要なこともあります。

向いている成分傾向:

  • 洗浄成分:ラウレス硫酸Na系〜アミノ酸系のやや強め
  • スカルプ向け成分:サリチル酸・グリチルリチン酸2K(医薬部外品の場合)・ティーツリー葉油
  • 過剰な油分コーティング成分は控えめが◎

気をつけたいこと:「〇〇フリー」表示について

「ノンシリコン」「サルフェートフリー」「パラベンフリー」など、成分不使用を謳う表示が多く見られます。

注意点が2つあります。

1. 「フリー」になった代わりに何が入っているか パラベンフリーでも、代替の防腐剤としてフェノキシエタノールや安息香酸Naが入っていることがあります。代替成分が自分の頭皮に合うかどうかも大事なチェックポイントです。

2. 複数の「フリー」が必ずしも頭皮に優しいとは限らない 「無添加」「オーガニック」「ナチュラル」などの表示は成分品質を保証するものではありません。天然・植物由来成分でもアレルギー反応が起きることはあります。「フリー」表示に安心しすぎず、成分表を実際に確認する習慣が大切です。

シャンプーは医薬品ではありません。肌との相性は個人差があります。成分を確認しながら、実際に使って自分の頭皮・髪の反応を見るのが、合うシャンプーを見つける一番確実な方法です。


ドラッグストアでの実践ステップ:棚の前でやること

シャンプーの成分の知識をつけても、実際に店頭でどう動けばいいかが曖昧だと選びにくいままです。棚の前で実際に何をどう確認するか、ステップ順にまとめます。

ステップ1:パッケージ表面のキャッチコピーを確認する

「アミノ酸系」「ノンシリコン」「サルフェートフリー」「スカルプ」「ダメージケア」といった表示から、そのシャンプーが何を売りにしているかを把握します。ただし、ここで気に入ったからといって買わず、必ず裏の成分表を確認します。

表面の謳い文句は「そのシャンプーの方向性の宣言」であり、「成分の保証」ではありません。

ステップ2:成分表の1〜5番目を見る

裏面の「全成分」欄を見つけて、最初の5成分を確認します。

  • 1番目:ほぼ「水」のはずです。水以外が来ている場合は珍しい処方
  • 2〜4番目:洗浄成分のカテゴリをチェック。「ラウレス硫酸Na」「ラウリル硫酸Na」があれば硫酸塩系。「ラウロイルメチルアラニンNa」「ラウロイルグルタミン酸Na」があればアミノ酸系
  • 5番目前後:グリセリンが来ていれば基本的な保湿に配慮した処方

この5成分の確認だけで、そのシャンプーの基本的な性格がわかります。

ステップ3:シリコーン成分があるかを確認する

「コン」「シロキサン」が含まれる成分名がどこかにあるかをスキャンします。ノンシリコンを探している場合は、これらがゼロであることを確認してから次のステップへ進みます。

成分表が細かくて読みにくい場合は、スマートフォンのカメラで拡大するか、メーカーのウェブサイトで成分表を確認するのも手です。

ステップ4:保湿・補修成分を確認する

成分表の中盤〜後半に視線を移して、自分の悩みに関係する成分があるかを確認します。

  • 乾燥が気になる:ヒアルロン酸Na・グリセリン・セラミド類
  • ダメージ補修を重視したい:加水分解ケラチン・加水分解コラーゲン・ヘマチン
  • 頭皮ケアを重視したい:グリチルリチン酸2K(医薬部外品)・ティーツリー葉油・パンテノール

ただし、成分表の後半にある成分は配合量が少ない可能性があることを踏まえて、「おまけ的な補強」として見るのが現実的です。

ステップ5:「フリー」表示と成分表の整合性を照合する

「サルフェートフリー」と書いてあればラウレス硫酸Na・ラウリル硫酸Naが成分表にないことを確認します。「ノンシリコン」と書いてあれば「コン」「シロキサン」系がないことを確認します。

表示と成分表が一致していれば信頼性が高い。不一致があれば要注意です(ラベルミスや原材料変更後の表記漏れがまれにあります)。

ステップ6:パラベン・防腐剤の種類を確認する

敏感肌や防腐剤へのこだわりがある場合、パラベン類(メチルパラベン・プロピルパラベン等)の有無を確認します。パラベンフリーの製品では代わりにフェノキシエタノール・安息香酸Na・デヒドロ酢酸Na等が防腐剤として使われていることが多いです。

これらが敏感頭皮に対して自分に合うかどうかは使ってみないとわからない部分もありますが、何が入っているかを把握した上で試せるのが大切です。

ステップ7:内容量と参考価格のバランスを見る

成分が良くても、継続的に使えなければ意味がありません。成分表を確認して候補が絞れたら、最後に内容量とコストのバランスを見て選びます。

私がシャンプーを選ぶときは、ステップ2〜3だけで候補を2〜3本に絞って、最後はコストと香りの好みで決めることが多いです。全ステップを毎回完璧にやる必要はなく、「洗浄成分とシリコーン確認」だけでも大きく選択精度は変わります。


よくある質問

Q. 成分表の「コカミドプロピルベタイン」は何系の洗浄成分ですか?

A. コカミドプロピルベタインはベタイン系(両性界面活性剤)の洗浄成分です。ヤシ油から作られ、刺激が比較的少ないとされています。単体で使われることは少なく、アミノ酸系洗浄成分と組み合わせてマイルドな処方を作るために配合されることが多いです。成分表の上位にコカミドプロピルベタインが来ていれば、マイルド寄りの処方と判断して差し支えありません。

Q. 「ラウレス硫酸Na」と「ラウリル硫酸Na」はどう違いますか?

A. どちらも硫酸塩系の洗浄成分ですが、刺激感に若干の違いがあります。ラウリル硫酸Na(SLS)のほうが頭皮への刺激が出やすいとされており、ラウレス硫酸Na(SLES)は構造を一部改変してマイルド化したものです。ただし、どちらも洗浄力が強めの部類であることは共通しています。乾燥・敏感頭皮の人はどちらも避けるほうが無難です。

Q. 「シリコーン」と「シリカ」は同じ成分ですか?

A. 異なります。シリコーン(ジメチコン等)はシロキサン結合を持つ合成ポリマーで、毛髪コーティング目的で使われます。シリカ(二酸化ケイ素)は鉱物由来の成分で、化粧品では主にテクスチャー調整や吸着目的で使われます。シリカが入っていても「シリコーン入り」ではありません。

Q. 香料・着色料は成分表のどこで確認できますか?

A. 香料はまとめて「香料」と記載されます(個別の香り成分の開示は必須ではありません)。着色料は「○号」「マンガニーズバイオレット」「カーボンブラック」などの名称で記載されます。無香料・無着色のシャンプーでは、これらの記載が成分表にありません。アレルギーが心配な場合は、香料・着色料なしの製品を選ぶのが安心です。

Q. 成分表を読んでいても、どのシャンプーが自分に合うか判断できません。どうすれば?

A. 成分を読む力は「選択肢を絞り込む」ための道具であり、「完全な予測」はできません。最終的には実際に使ってみるのが大切です。

選択肢を絞るための簡単なフローを一つ。

  1. 硫酸塩系(ラウレス/ラウリル硫酸Na)が成分表の上位にあるものは、乾燥・ダメージが気になる人はいったん外す
  2. アミノ酸系洗浄成分が2〜5番目に複数並んでいるものを候補にする
  3. 気になる悩み(乾燥・ボリュームダウン・ダメージ等)に応じて保湿・補修成分をチェック
  4. 少量サイズやサンプルで1〜2週間試す

髪と頭皮の状態は季節・体調・ヘアカラーの頻度によっても変わります。年に一度くらいは成分を見直す気持ちで選ぶと、ずっと合わないシャンプーを使い続けるリスクを減らせます。

Q. アミノ酸系シャンプーはドラッグストアで買えますか?

A. 買えます。BOTANISTや「ラ・ボン」「シャンプージプシー向け」と呼ばれる定番品の多くがドラッグストアで取り扱われています。成分表の見方がわかれば、どのシャンプーがアミノ酸系かを自分で確認できるようになります。アミノ酸系だからといって必ずしも高価なわけではなく、ドラッグストアで手に入る市販品も多数あります。

Q. ヘアカラーをしている髪は、どんな成分のシャンプーを選べばよいですか?

A. カラーヘアには3つの観点で成分を選ぶのがおすすめです。

第一に洗浄成分はアミノ酸系を選ぶこと。ラウレス硫酸Na系のシャンプーは洗浄力が強く、カラーの色素を流しやすいと言われています。アミノ酸系のマイルドな洗浄はカラーの持ちにも関係します。

第二にダメージ補修成分として、加水分解ケラチンや加水分解コラーゲン、ヘマチンが入っている製品を選ぶと、カラー処理で傷んだキューティクルへのケアが期待できます。

第三に「カラーケア」「カラー後」と謳う製品は、上記の成分構成になっていることが多く、成分を一から確認する手間が省けます。ただし謳い文句だけでなく成分表で確認する習慣は維持しましょう。


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