「ノンシリコンシャンプーに変えたら、髪がひどくきしむようになった」「抜け毛が増えた気がする」——そんな悩みを持って調べているなら、まず知っておいてほしいことがあります。
きしみの主な原因は「シリコーンコーティングが落ちる移行期」と「洗浄成分の強さ」の2つです。1〜3週間でほぼ落ち着きますが、洗い方と成分の選択で体感は大きく変わります。今困っている症状の見出しに直接ジャンプしてください。
ノンシリコンシャンプーとは何か:まず定義を押さえる
「ノンシリコン」は、シャンプーの成分表にジメチコン・シクロメチコン・ジメチコノール・アモジメチコンなどのシリコーン系コーティング成分が含まれていないことを意味します。
シリコーンはもともと、毛髪表面のキューティクルのダメージを一時的にコーティングして手触りをよくする目的で使われています。指通りをよくする、ツヤを出す、熱や摩擦からのダメージを軽減する——これが従来のシャンプー・コンディショナーでシリコーンが重宝されてきた理由です。
ノンシリコンシャンプーはそのコーティングをなくした処方です。当然、「コーティングがない分、素の髪に戻る」という変化が起きます。そこに切り替え直後の違和感の源があります。
なぜきしむのか:移行期の3つの理由
理由1:シリコーンのコーティングが落ちる「移行期」がある
以前のシャンプーやトリートメントのシリコーンは、毛髪表面に蓄積しています。ノンシリコンシャンプーへ切り替えると、洗うたびにそのシリコーン層が少しずつ除去されていきます。
コーティングが薄くなった段階が最もきしみを感じやすく、これが「移行期のきしみ」と呼ばれるものです。毛髪の損傷度合いや以前のシリコーン蓄積量にもよりますが、おおむね1〜3週間で落ち着くことが多いです。個人差があります。
理由2:シャンプーの洗浄成分が合っていない
ノンシリコンシャンプーにはさまざまな洗浄成分が使われています。高洗浄力のラウリル硫酸ナトリウム(SLS)やラウレス硫酸ナトリウム(SLES)を使ったノンシリコン処方の場合、過剰洗浄で必要な皮脂・水分まで取り除かれてしまい、乾燥によるきしみが起きます。
アミノ酸系シャンプーと呼ばれる、コカミドプロピルベタイン・ラウロイルメチルアラニンNa・ラウロイルグルタミン酸Naなどを主洗浄成分とするものは、洗浄力がマイルドで乾燥しにくいとされています。「ノンシリコン=アミノ酸系」ではないので、成分表の確認が必要です。
理由3:コンディショナー・トリートメントを省いている
「シリコンなしで自然に」という意識から、コンディショナーも使わなくなった人がいます。しかし、健康な髪でもキューティクルは洗浄によって開きやすくなります。ノンシリコンシャンプーでも、洗い流しトリートメントやコンディショナーで閉じてあげる工程は必要です。
なぜ抜け毛が増えたように感じるのか
以前より抜け毛が目立ちやすくなる仕組み
シリコーンコーティングのあるシャンプーは、髪の表面が滑らかに保たれているため、洗髪中に毛が絡まりにくく、引っかかりが少ない状態です。ノンシリコンに切り替えた直後はコーティングがなくなり、髪同士が摩擦しやすくなります。
この摩擦によって、以前は見逃していた自然脱落毛(終末期の毛)が一気に集まって排水口に溜まったように見えることがあります。実際に脱毛数が増えているのではなく、「まとめて取れる」感覚になるケースが多いです。
本当に抜け毛が増えているパターンとの見分け方
以下の点が重なる場合は、シャンプーの切り替え以外の要因も考えた方がよいでしょう。
- 切り替えから2ヶ月以上経過しても抜け毛が減らない
- 頭皮に赤みやかゆみ、べたつきが出ている
- 地肌が透けて見える部分が増えてきた
- ストレス・睡眠不足・産後・急激なダイエットなどの生活変化がある
このような場合は、シャンプーだけの問題ではない可能性があります。
泡立ちが悪いと感じるとき
ノンシリコンシャンプーの中には、硫酸塩系の強い洗浄成分を使わずに、マイルドな成分だけで構成されているため、泡の立ちがしっかりシャンプーと比べて控えめなものがあります。
ポイントは2つです。予洗いを丁寧に行うことと、シャンプーを手のひらで軽く泡立ててから使うこと。お湯だけで1〜2分かけてすすいでから使うと、皮脂・整髪料の量が減り、アミノ酸系でも十分な泡立ちが得られます。「泡立ちが悪い=洗えていない」ではなく、泡立ちと洗浄力は直接イコールではありません。
移行期を乗り越えるための対処法
対処法1:洗い方を見直す
きしみは「洗浄成分の強さ」と「摩擦」の2つで悪化します。ノンシリコンシャンプーに変えたとき、意識的に洗い方を変えるだけで体感が変わります。
シャンプー前に予洗いを丁寧に お湯だけで1〜2分しっかりすすぐと、汚れの7〜8割程度が落ちるとされています。その後のシャンプーでの摩擦が減り、きしみを抑えられます。
頭皮を洗い、毛先は泡でなでる程度に ノンシリコンでもシリコーンありでも共通ですが、毛先をゴシゴシ洗うとキューティクルが傷みます。泡を毛先に流す感覚で十分です。
38〜40℃のぬるめのお湯ですすぐ 高温のお湯はキューティクルを開きやすくし、きしみを強めます。
対処法2:ノンシリコンのコンディショナー・トリートメントを使う
「ノンシリコンシャンプー+ノンシリコントリートメント」のセット使いが基本です。トリートメントの主成分は、シリコーンではなくケラチン・アミノ酸・植物オイルなどになります。洗浄後のキューティクルを閉じる働きをするので、シャンプーだけ変えてコンディショナーを省くのは逆効果です。
対処法3:アミノ酸系洗浄成分のシャンプーに変える
移行期に「きしみがひどすぎる」と感じる場合は、シャンプーの洗浄成分自体の見直しも選択肢です。
アミノ酸系シャンプーの主洗浄成分の代表:
- コカミドプロピルベタイン
- ラウロイルメチルアラニンNa
- ラウロイルグルタミン酸Na
- ラウロイルサルコシンNa
成分表の上位にこれらが並んでいるシャンプーは、洗浄がマイルドで乾燥を起こしにくいとされています。私が移行期に実際に切り替えて使ったのも、こうした成分を主体とするシャンプーでした。きしみが明らかに和らいだのは、洗浄成分を変えてからでした。詳しい成分の読み方についてはシャンプーの成分表示の見方も参考にしてください。
アミノ酸系シャンプーの選び方についてはアミノ酸シャンプーのおすすめ7選でさらに詳しく取り上げています。
対処法4:夜型洗いに切り替えて翌朝の状態で判断する
ノンシリコンシャンプー後の髪の感触は、乾燥した状態よりも翌朝の状態で判断するのが正確です。夜に洗ってしっかり乾かし、翌朝の素の感触を確認してみてください。YOLU カームナイトリペアのような夜間補修を想定した処方のシャンプーは、寝ている間の摩擦ダメージを前提とした成分設計になっており、ノンシリコンながら翌朝のツヤを重視しています。
こんな人はノンシリコンが合いにくいことがある
ノンシリコンシャンプーが全員に向いているわけではありません。次に当てはまる場合は、ノンシリコン以外の選択肢も合わせて検討することをおすすめします。
ダメージが大きい髪(カラー・パーマ・縮毛矯正) ダメージヘアはキューティクルが欠損・開きやすい状態です。シリコーンコーティングがそのダメージをカバーしていた場合、ノンシリコンにするときしみ・ゴワつきが強く出ることがあります。毛先のケアとしてシリコーン配合トリートメントを使い、シャンプーだけノンシリコンにするという組み合わせも実用的です。
細くてコシのない髪(猫っ毛・軟毛) コーティングがなくなることで、ボリュームが出る人もいれば、髪が絡まりやすくなってしまう人もいます。特に猫っ毛の場合は「合う・合わない」が出やすく、試してみないとわからない部分があります。
乾燥が強い季節・環境 秋冬の乾燥した空気の中では、コーティングなしでは静電気と摩擦ダメージが出やすくなります。季節ごとにシャンプーを使い分けることも一つの方法です。
ノンシリコンシャンプーに求めるものによって選び方は変わる
ノンシリコンシャンプーを選ぶ理由は人によって違います。「頭皮の毛穴を詰まらせたくない」「トリートメントの浸透を妨げたくない」「自分の髪本来の手触りを知りたい」など、目的を明確にしてから選ぶと失敗が減ります。
頭皮ケアが目的なら 頭皮のべたつき・かゆみ・炎症を抑えたい場合は、スカルプ向けの処方かどうかを確認しましょう。ヘマチン配合・保湿成分(グリセリン・ヒアルロン酸)入り・メントールなど清涼感成分入りなど、目的によって向いているものが変わります。
髪のダメージケアが目的なら ケラチン補修・アミノ酸補給を謳うシャンプーが選択肢になります。ただし、シャンプー単体でのケラチン補修効果は限定的です。洗い流さないトリートメントや補修系ヘアオイルと組み合わせる方が実感しやすいです。
成分をしっかり確認したい方へ 成分表のどこを見ればいいか、洗浄成分の種類別の特徴などはシャンプーの成分表示の見方に詳しくまとめています。
よくある質問
Q. ノンシリコンに変えて1ヶ月が経つが、きしみが一向に改善しない。どうすれば?
A. 1ヶ月経過してもきしみが強い場合は、2つの方向を確認してください。
一つ目は「洗浄成分の強さ」です。SLS・SLESが上位に並んでいるシャンプーは洗浄力が強く、乾燥によるきしみが出やすいです。アミノ酸系洗浄成分を主体としたものに変えてみてください。
二つ目は「コンディショナー・トリートメントの使用」です。ノンシリコンシャンプーだけ使ってコンディショナーを省いているなら、洗い流しトリートメントを追加してみてください。シャンプーとトリートメントはセットで考えることが大切です。
Q. 「ノンシリコン=頭皮に優しい」は本当?
A. 「シリコーンが頭皮に悪い」という話がよく聞かれますが、シリコーンは分子量が大きく毛穴に詰まりにくいとも言われており、現時点では「シリコーン=頭皮に悪い」とは一概に言えません。
ノンシリコンシャンプーが頭皮に有利になるのは、シリコーンの代わりに選ばれた成分が頭皮向けの成分である場合です。シャンプー全体の処方とご自身の頭皮の状態に合わせて選ぶことが重要です。
Q. ノンシリコンシャンプー、白髪染め後でも使えますか?
A. 白髪染め後のカラーケアという観点では、染料の退色を防ぐ処方(カラーケアシャンプー)かどうかが重要で、シリコーンの有無はそこまで直結しません。洗浄力の強いシャンプーは色落ちを速める傾向があるため、アミノ酸系などマイルドな洗浄成分のシャンプーを選ぶと、カラーの持ちがよくなることがあります。個人差があります。
Q. 移行期のきしみがどうしても我慢できないとき、元のシャンプーに戻すべき?
A. 戻すことは悪い選択ではありません。ただし、きしみの原因がシリコーンの有無だけでなく「洗浄成分の強さ」にある場合は、アミノ酸系洗浄成分のノンシリコンシャンプーに切り替えてみる方が根本的な解決になります。ダイアン パーフェクトビューティーのように、ノンシリコンでもセラミドやアミノ酸を豊富に配合して移行期のきしみを和らげることを意識した製品もあります。
Q. 抜け毛が心配で皮膚科に行くべきかどうか、判断の目安は?
A. 次の状態が続いている場合は皮膚科の受診が安心です。切り替えから2ヶ月以上経過しても抜け毛が明らかに多い、頭皮に赤みやかゆみ・フケが出ている、地肌が見えやすくなった部分がある——これらが複数重なるなら、シャンプー以外の要因がある可能性があります。肌トラブル時は医師・薬剤師にご相談ください。
まとめ
ノンシリコンシャンプーに切り替えた直後のきしみや抜け毛増加の感覚は、シリコーンコーティングが落ちる移行期に起きる一時的な変化であることがほとんどです。
移行期を乗り越えるポイントは3つです。
- 洗い方を丁寧にする:予洗いをしっかり行い、摩擦を最小限にする
- コンディショナー・トリートメントを使う:シャンプーだけノンシリコンにしてコンディショナーを省かない
- 洗浄成分を確認する:アミノ酸系洗浄成分を主体としたものはきしみが出にくい
ノンシリコンシャンプーの選び方は、ノンシリコンシャンプーのおすすめ6選とアミノ酸シャンプーのおすすめ7選も合わせて参考にしてください。


